反対咬合(受け口)とは?
受け口とは、上顎よりも下顎が前に出ている状態のことを指します。これは不正咬合の一種であり、歯科用語では「反対咬合」とも呼ばれます。通常、上の前歯よりも下の前歯が前に出ていると判断される状態であり、見た目や機能においてさまざまな影響を及ぼします。受け口の特徴としては、噛み合わせが逆になっているため、正常な歯並びや発音、食事の際の咀嚼に問題が生じることがあります。
なぜ反対咬合(受け口)になるのか?
遺伝的要因
受け口や反対咬合の遺伝的要因は、主に親からの遺伝によるものです。親のいずれかが受け口の場合、その子供にも同様の歯並びや顎の形状が遺伝する可能性があります。遺伝的な要因は、顎の大きさや形状だけでなく、歯の発育にも影響を及ぼすことがあります。そのため、幼少期からの継続的な観察が重要です。また、中には指しゃぶりや舌癖といった幼少期の癖も遺伝的な要因と相まって影響を与えることがあります。
環境的要因
反対咬合や受け口の原因には環境的要因も大きく関わります。幼少期の生活習慣や癖は、顎の発育に直接的な影響を与えることがあります。例えば、長期間にわたる指しゃぶりや舌を押し付ける癖があると、歯並びや顎の発育に偏りが生じやすくなります。また、不適切な食生活や姿勢も顎の成長に悪影響を及ぼすことがあります。これらの環境的要因が重なることで、反対咬合が形成されることがありますので、早期の矯正歯科での相談が推奨されます。
反対咬合(受け口)の矯正方法について
子供の矯正の場合
反対咬合(受け口)は早期診断と治療が重要です。特に、小児期における治療は効果が高いとされています。一般的には、小学校入学時の6歳頃が治療開始の目安です。この時期に治療を開始することで、顎の成長をコントロールしながら、歯並びを整えることができます。多くの場合、1年以内に良好な結果が得られることが期待され、子供が無理なく装置を使用できる設計がなされています。
大人の矯正の場合
大人の反対咬合治療は、子供とは異なり、顎の成長が完了しているため、治療計画も異なる場合があります。大人の治療では、ワイヤー矯正を用いることが一般的で、必要に応じて抜歯を伴うこともあります。また、骨格的な問題が顕著な場合には、矯正歯科と連携して外科手術を検討することもあります。大人の治療では、完治までに時間がかかることがありますが、正しい治療とケアにより、受け口の改善が期待できます。治療を始める前に、信頼できる矯正歯科医の診断を受けることが大切です。
当院での「反対咬合(受け口)」の治療方法
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明な素材で作られた取り外し可能な装置を使用して、反対咬合や受け口の矯正を行います。この方法の大きな利点は、装置が目立ちにくく、食事や歯磨きの際に取り外せるため、口腔内を清潔に保ちやすいことです。また、マウスピースが患者の口の形に合わせて作られるため、装着時の違和感が少ないのも特徴です。ただし、適切な時期と方法で使用しないと効果が薄れるため、矯正歯科医との定期的な相談が必要です。